今回紹介しているのは、私が所属しているTICA(アメリカ本部)という血統登録団体で認められている毛色の種類になります。
TICAと国内血統登録団体(ACCやICCなど)とでは毛色の呼び方が違うかもしれませんが、理屈を理解してしまえば、他の血統登録団体でも毛色の意味は同じです。
しーまさんちの猫ブログ運営者の CMATERRACE SIBERIANS™(サイベリアンブリーダー・キャットグルーマー・動物看護師)です。
私自身の詳細は、プロフィールページに記載してありますので、以下の詳細ページよりご確認下さい。
前回の記事「前編」では、大分類である「カテゴリー」についてのお話しをさせて頂きました。
「後編」である今回の記事では、中分類である「ディビジョン」についてお話しをさせて頂きます。
「ディビジョン」では、前回の記事での「カテゴリー」をご理解頂いている前提でお話しをさせて頂きますので、ご理解が不十分な方・この記事からお読みになられている方は、「前編」を先にお読みになられることを強くお勧めします。
ディビジョン
ディビジョンは以下のように大きく分けて4つに分類されますが、そこにそれぞれ「&ホワイト」が加わりますので、ディビジョンは細分化されて8つに分類されます。
- ソリッド ディビジョン
- トーティー ディビジョン
- タビー(トービー)ディビジョン
- シルバー・スモーク ディビジョン
- ソリッド&ホワイト ディビジョン
- トーティー&ホワイト ディビジョン
- タビー(トービー)&ホワイト ディビジョン
- シルバー・スモーク&ホワイト ディビジョン
カラーパターン
カテゴリーは4つに分類されますので、4つのカテゴリーと8つのディビジョンを合わせると、全カラーパターンは、32のディビジョン(カラーパターン)あります。
サイベリアンのカテゴリーは「トラディショナルカラー」と「ポインテッドカラー」の2つのカテゴリーとなりますので、サイベリアンのディビジョン(カラーパターン)は16パターンということになります。
カテゴリーについては、前回記事「前編」でお話ししておりますので、以下の記事をお読み下さい。⇩
ディビジョン /カテゴリー | カテゴリー1 | カテゴリー2 | カテゴリー3 | カテゴリー4 |
---|---|---|---|---|
トラディショナル | ミンク | セピア | ポインテッド | |
ディビジョン1 | ソリッド | ソリッド | ソリッド | ソリッド |
ディビジョン2 | トーティー | トーティー | トーティー | トーティー |
ディビジョン3 | タビー (トービー) | タビー(トービー) | タビー(トービー) | タビー (トービー) |
ディビジョン4 | シルバー/スモーク | シルバー/スモーク | シルバー/スモーク | シルバー/スモーク |
ディビジョン5 | ソリッド &ホワイト | ソリッド&ホワイト | ソリッド&ホワイト | ソリッド &ホワイト |
ディビジョン6 | トーティー&ホワイト | トーティー&ホワイト | トーティー&ホワイト | トーティー &ホワイト |
ディビジョン7 | タビー (トービー) &ホワイト | タビー(トービー) &ホワイト | タビー(トービー) &ホワイト | タビー (トービー) &ホワイト |
ディビジョン8 | シルバー/スモーク &ホワイト | シルバー/スモーク &ホワイト | シルバー/スモーク &ホワイト | シルバー/スモーク &ホワイト |
ソリッド系
タビー(縞模様)がない単色カラーのことです。
例えばホワイト系カラーやブラック系カラーなどのことです。
ドメスティックキャットの王道カラーはタビー系ですので、あまり単色カラーのサイベリアンは数少ないカラーです。
トーティー系
タビー(縞模様)がない二毛猫ちゃんや三毛猫ちゃんのことです。
タビー系・トービー系
タビー系とは、縞模様がある単色カラーのことで、トービー系とは、縞模様がある二毛猫ちゃんや三毛ちゃんのことです。
稀に男の子を見かけたことがありますが、遺伝子(塩基配列)で基本的にはトービー系は女の子しか生まれません。
タビー系とトービー系には、「マッカレルタビー」と「クラシックタビー」に大分されます。
タビー系とトービー系にはマッカレルタビーやクラシックタビー以外にもスポテットタビー・マーブルドタビーやティックドタビーなど多数存在しますが、これらの代表猫種はベンガルやオシキャット、(ティックドタビー)アビシニアンですので、今回はサイベリアンの主となるマッカレルタビーとクラシックタビーについてお話しをしていきたいと思います。
左下のお写真は、タビー系カラーになります。
右下のお写真は、トービー系カラーのお写真になります。
マッカレルタビー
マッカレルタビーとは「サバ柄」のことで、胴体部分に縦ラインが強調されたカラーパターンが特徴的です。
動物園でよく見かけるアムールトラなどを想像して頂ければ判りやすいと思います。
下のお写真は、ブラウンマッカレルタビーのサイベリアンになります。
胴体部分にアムールトラのような縦ラインがはっきりと確認できます。
個人的に「マッカレルタビー」は、「クラシックタビー」よりも野性味が増しているような気がします。
クラシックタビー
クラシックタビーとは「渦巻き状」のことです。胴体部分に渦巻き状の模様が強調されたカラーパターンが特徴的です。
海外では時折「マーブルドタビーやブロッチドタビー」と呼んでいる場合もありますが、どれも正解です。
実際は、濃い毛色と薄い毛色のコントラストによって渦巻き状が強調されています。
また、首筋から肩甲骨にかけて蝶のように見える模様が確認できます。
下のお写真は、ブラウンクラシックタビーのサイベリアンになります。
胴体部分に渦巻き状の模様がはっきりと確認できます。
個人的に「クラシックタビー」は、「マッカレルタビー」と比べて野性味に加え上品さがあるような気がします。
チェックポイント
チェックポイント①
ブラウン系の三毛猫ちゃんの場合、ブラウンをベースにレッド系・ブラック系の三色になります。
チェックポイント②
- トーティー・・・タビー(縞模様)がない
- トービー・・・タビー(縞模様)がある
どちらとも二毛猫ちゃんや三毛猫ちゃんのことを言います。
トーティーとトービーは似ていますので、気を付けて下さいね。
チェックポイント③
ポイントカテゴリーのタビー(トービー)ディビジョンの猫ちゃん場合
- タビーと呼ばずに、リンクス(LYNX)と呼び名が変わります
例えば、トラディショナルカテゴリーのようにブルークラシックタビーやブラウンマッカレルタビーというように呼ばずに、ブルーリンクスポイントと呼びます。 - ブラウン系カラーの場合は、ブラウンと呼ばずにシールと呼び名が変わります。
ブラウンリンクスポイントではなく、シールリンクスポイントと呼びます。 - トービー(三毛猫ちゃん)ディビジョンの場合は、リンクスと呼ばずに、トービーポイントとそのまま呼びます。
リンクスの呼び名の変更
2019年より、ポイントカラーのタビー系の猫ちゃんの毛色の呼び方を、ややこしくなるリンクスと言う呼び方から「タビー」とそのまま呼ぶ
ポイントカテゴリーを再確認したい場合は、前回の記事「前編」をお読み下さい。
サイベリアンの王道カラーとは?
サイベリアンは、ロシア(旧ソ連)のシベリア地方に今もなお生息しているドメスティックキャット(土着猫)です。遺伝しやすいディビジョンはタビーですので、タビー系サイベリアンがシェアを広げ、トラディショナルカテゴリーのタビー(トービー)ディビジョンが大多数を占めていったという結果になったのでしょう。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
本当は、一記事にまとめたかったのですが、毛色を覚えるのにどれも必須項目でした。
折角お読み頂くから」には「妥協せずに書こうと意気込み執筆しましたので、「前編・後編」に分かれてしまいした。
皆さまが様々ある毛色をすぐに読み取ることが出来、自分好みの毛色をお選び頂けるようになれば、この努力も報われるかな?と思います。
出来る限り専門用語を使わずに心がけましたが、それでも難しいと感じましたら個別でご対応させて頂きますので、お問い合わせフォームよりご質問下さい。
これからも飼育に関する内容や病気予防に関する内容をお伝えさせて頂きますので、日々の飼育の参考になればとてもうれしく思います。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。