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急に毛づくろい?猫ちゃんの転位行動の理由とは?対処は必要?

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しーまさんちの猫ブログ運営者の CMATERRACE SIBERIANS™(サイベリアンブリーダー・キャットグルーマー・動物看護師)です。
私自身の詳細は、プロフィールページに記載してありますので、以下の詳細ページよりご確認下さい。

転位行動というのをご存知でしょうか?

例えば、猫ちゃんが飼い主様の膝の上で寝ていたとしましょう。
猫ちゃんが飼い主様の膝の上から急に起き上がり、激しくお尻を舐めだしたり・顔を舐めたり・毛を舐めたりという、所謂セルフグルーミングをしだしたことはありませんか?
例えば、多頭飼育のご家庭であれば、猫ちゃん同士で喧嘩が始まりそうなシチュエーションなのに、お互いにもしくは片方の猫ちゃんが急にセルフグルーミングを始めたり「なんだう?意味不明だな・・・」と疑問に感じた経験はございませんか?

この急な行動は転位行動と言って、何かの選択に迫られた時に、その葛藤の末気を紛らわす行動です。
気分転換又はクールダウンみたいなものです。

今回のテーマは「猫ちゃんの転位行動の理由と対処は必要なのか?」について、お話ししていこうと思います。

それでは、猫ちゃんの転位行動とは、どんな行動のか一緒に見ていきましょう。

目次

猫ちゃんの転位行動とは?

葛藤行動とは?

動物行動学では、ストレスからくる恐怖や怒りなどが心の中でせめぎ合っている状態を「葛藤」と言い、葛藤状態が続いている時にとる行動のことを「葛藤行動」と言います。

転位行動とは?

転位行動とは、葛藤行動の一つの行動で、ある個体が相反する衝動が拮抗して葛藤状態になった時に取る無関係な第三の行動を指します。
少し難しい話しになりそうなので、簡単に言いますと「恐怖や緊張、不安などのストレスを感じた時に、気持ちを紛らわすために何の関係もない行動をする」といった行動のことを言います。

この転位行動は人間を含み全ての動物に見られる心理的行動の一つです。

例えば、苦手な猫ちゃんに遭遇した時「攻撃する?」「逃げる?」相反する気持ちが葛藤した際に、そのどちらの行動を取るわけでもなく、グルーミングや爪研ぎを始めるなどが「転位行動」と言えます。

猫ちゃんが転位行動をする理由

猫ちゃんが急なストレスを感じて気分転換する時は、以下のような場合が挙げられます。
以下の行動以外にも理由があると思われますので、ご家庭の猫ちゃんに照らし合わせて類似ケースを探って下さい。

ケース1 失敗した時

例えば、キャットタワーに飛び乗ろうとして落下した時や獲物(類似の動くおもちゃなど)を捕まえようとして捕まえることが出来なかったときです。

猿も木から落ちるという言葉があるように、高所を得意とする猫ちゃんも時には失敗することもあります。
すべての猫ちゃんは野生の本能として高所を得意とするスキルが備わっていますが、生き物である以上運動神経にも個体差があるようです。

ケース2 行動を中断させられた

例えば、眠っていたのに無理矢理起こされたときや自分が行きたい場所をさえぎられた時、巡回中に他の猫ちゃんと出会ったりするのもストレスになるようですね。

ケース3 我慢した

例えば、新しい家具などの「障害物」が突然自分の縄張りに置かれた時や飼い主様にしつこく撫でられた時、窓ガラスの向うにカラスやすずめなどの獲物がいるのに捕れないもどかしさは、強いストレスを感じて転位行動を取ることもあります。

ケース4 相性が悪い猫ちゃんが自分の縄張りに侵入しようとした時

多頭飼育に限定されますが、通常時は相性の悪い猫ちゃんと無駄な争いを避けるために、お互いに近づかないように距離を保ちますが、どうにもならない状況に陥ることは同居をしていると時々訪れます。

猫ちゃんの具体的な転位行動

セルフグルーミング

猫ちゃんがセルフグルーミグをする理由は、汚れや古い毛が取れて、清潔に保つためや被毛を清潔に保つことで、自分の臭気を除去し外敵や獲物から自身の存在を隠すマーキング行動が最大の理由です。
しかし、転位行動の場合のセルフグルーミングは意味合いが変わってきます。
例えば休息や食事、巡回行動など、何かをしようとしている時に中断させられると、急に猫ちゃんは体を舐めてセルフグルーミングをします。
これは、途中で中断されたことによる急激なストレスが主な原因な場合が多いようです。

鼻や肩、前足、後ろ足を舐めるなど、ストレスを感じた時に猫ちゃんがセルフグルーミングをするパターンは、その猫ちゃんの個体差により決まっていると言われています。
同居猫ちゃんが転位行動をする際のセルグルーミングをよく観察してみると同居猫ちゃんのパターンを知れるかもしれませんね。

セルフグルーミングについては、以下の記事で詳しく説明しておりますので、ご興味がある方はお読みになられて下さい。

爪研ぎ

猫ちゃんが爪研ぎをする最大の理由は、ハンティングによる野生の本能で、鋭い爪をキープするために爪を研いでいます。
猫ちゃんの爪は下に新しい爪が生えてくるため、爪研ぎをすることによって表面の古い爪を剥がし新しく鋭い爪を出しています。

転位行動による爪研ぎは、この野生の本能によるものとは関係なく、何かストレスを感じた時に気を紛らわす、気分転換によるものとされています。

爪研ぎには、様々な理由があります。
以下の記事で詳しく説明しておりますので、ご興味がある方はお読みになられて下さい。

マウンティング(威嚇行動)

猫ちゃんのマウンティングは、自分の優位性をアピールする行動です。
猫ちゃん同士の喧嘩が始まりそうな時、背中を丸めて毛を逆立てる場面を見たことがありませんか?その行為がマウンティングと言います。
威嚇ともいいますね。

あくび

飼い主様に怒られた時や、眠っているところを邪魔された場合、猫ちゃんはすぐにその場を去る事はせずに、何度もあくびをしたり、背伸びをしたりします。
これは妨害されたことに対する抗議の意味での転位行動の場合が多いです。

転位行動の対処は必要?

猫ちゃんの転位行動の理由は、基本気分転換であることが大半を占め、転位行動がセルフグルーミング程度であれば対処する必要はないと思われます。

むしろ、転位行動の理由が「失敗した時」であれば、猫ちゃんとは言え、生き物である以上は「自尊心は少なからず備わっています」から、そっとしておいたほうがストレス過剰になることを最小限に抑えることが出来、得策と言えるでしょう。

常同行動は要注意

気分転換での転位行動は笑って静観することは出来ますが、転位行動を何度も同じパターンを繰り返している行動の場合は、常同行動と言い要注意です。

常同行動とは、人間においては主に統合失調症や発達障がいや自閉症の患者様に見られる典型的な症状で、脳が混乱している状態です。

具体的な症状

具体的な症状としては、「尻尾追い」や「耳の付け根が剥げて出血するほどの過剰なグルーミング」などが挙げられ、これらの常同行動は異常行動と言えます。

猫ちゃんにも発達障がい等は存在すると言われています。
この場合は動物病院に通院し獣医に相談するようにして下さい。
ただ、この場合はワクチン接種の感覚で近隣の動物病院に通院すると言うよりは、大学病院で専門的に治療するというレベルですので、まずは近隣の動物病院に相談した上で大学病院の紹介状をもらうという手順を踏んで下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
転位行動は、失敗した時など自分の意図としない自体が起きた時に、気持ちをリセットするために起こす行動のことを言い、その理由であることが大半を占めるため、特に対処する必要はありません。
しかし、常同行動と言って、異常行動と言えるほど何度も何度も繰り返し、自傷行為が続く場合は要注意です。 動物病院の獣医師に相談した上で、大学病院等への紹介状をもらうようにしましょう。

CMATERRACE SIBERIANS™

今回のテーマは以上になります。

今回お話しさせて頂きました内容が、飼い主様にとって良い結果に繋がることを願っております。
万が一記事のご説明でご不明な点などがございましたら、お問い合わせフォームよりご質問下さい。
これからも飼育に関する内容や病気予防に関する内容をお伝えさせて頂きますので、日々の飼育の参考になればとてもうれしく思います。
それでは、次の記事でまた皆さまにお会い出来ることを楽しみにしております。

免責事項
記事内容は常に細心の注意を払いリサーチし作成しておりますが、猫ちゃんの性格・ご家庭での飼育環境・ご家庭でのルールなどはご家庭毎に違うため、必ずしも記事内容の取り組みが成功するという保証はありませんので、参考程度にお読み下さい。
また記事内容が獣医療に関する内容の場合は、法令により診断の確定や治療方針などは獣医師のみが許可されており、動物看護師ではその診断・治療法について確定し助言することは出来ませんので、参考程度にお読み下さい。
記事内容に心当たりがある飼い主様がおられましたら、一刻も早く動物病院に通院されることをお勧めします。
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