猫ちゃんが鼻スタンプをする３つの理由とスキンシップの注意点

猫ちゃんは本来単独動物であり、ハンティング行動のため他者との関わりを避けながら生活する動物ですので、猫ちゃんにとって他者である飼い主様と関わりを求めることはそれ相応のリスクを伴う行動と言えますが、それを差し引いてでも猫ちゃんから飼い主様に近づいてくるということは、既に猫ちゃんと飼い主様との信頼関係はある程度構築されているのでしょう。
ですからその時は、最大限に猫ちゃんの要求に答えてあげて下さいね。

どれだけ猫ちゃんから飼い主様に近づいてくることが物凄いことなのかを以下の記事でご説明しておりますので、ご興味があればお読みになられて下さい。

本当に凄い進歩ですので何度も申し上げますが、当たり前のことではなく本当に凄いことなのです。

飼い主様への「鼻スタンプ」の主な3つの理由

猫ちゃんから鼻スタンプをしてくる場合は何か理由がありそうですよね。
その理由を特定することが出来れば、今よりももっと猫ちゃんとの関係が深まりそうです。
まずは理由を知る前に、猫ちゃんの鼻の機能についてお話しをしたいと思います。

猫ちゃんの鼻の機能について知ろう

猫ちゃんの嗅覚は人間の１万倍から数十万倍と言われており、猫ちゃんの嗅覚は人間と比べてかなり臭いに敏感です。
一方で視覚はと言うと、視力0.001くらいしかなく、視界はぼんやり見えている程度で飼い主様と他者を見分けることは困難なレベルです。
視力が乏しい猫ちゃんは、飼い主様と他者をどのように見分けているのでしょう。
それは飼い主様と他者との体臭の違いを嗅ぎ分け見分けていると言われています。
そのため、猫ちゃんは人間と違って視力ではなく、嗅覚で情報収集をしています。

よく猫ちゃんは、至るところに自身の臭いを付着させるマーキング行動をします。
これは猫ちゃんの目や唇・肉球・尻尾などの臭腺から分泌される臭いを付着させることで、自身の縄張り（テリトリー）と他者の縄張りを見分けるためや自身の縄張りを他者に主張するために行っている単独動物特有の行動で、このマーキング行動も猫ちゃんの情報収集の一環です。

猫ちゃんの鼻が湿っている理由

猫ちゃんの鼻の表面には「鼻鏡（びきょう）」という細かな溝があります。
鼻鏡の中は涙や分泌液などで濡れていて、流れ去る臭いの分子を吸着させる役割があります。
猫ちゃんの鼻が湿っているのはこの鼻鏡の役割が働いているためで、鼻鏡が機能していると嗅覚が鋭くなり、臭いの違いを嗅ぎ分ける効果が増すと言われています。
但し、猫ちゃんの鼻は常に湿っているわけではなく、活動している時のみ湿っていますので、活動していない、例えば睡眠時は乾燥しています。
機会があれば睡眠時と活動時の鼻の湿具合を確認してみると面白いと思います。

鼻の機能について理解したところで、猫ちゃんが鼻スタンプをする時の理由を一緒に探っていきましょう。

愛情表現

飼い主様に鼻スタンプをする理由の1つ目は愛情表現です。
飼い主様に甘えるために顔や指先に鼻をくっつけていることが考えられます。
猫ちゃんから積極的にコミュニケーションを取りたがっている時ですから、できる限り時間を割いて一緒に遊んであげるようにしましょう。

情報収集

例えば、飼い主様が外から帰ってきた時に猫ちゃんから「鼻スタンプ」をしてきた時は、飼い主様の服の臭いや体臭に変化が生じ、飼い主様なのか否かを確認するため、改めて飼い主様の臭いを確認するための情報収集の可能性があります。
例えば、猫ちゃんから飼い主様に「鼻スタンプ」をした後に、飼い主様の顔や頬・体の一部に猫ちゃんの頭や体を擦りつけてきた場合は、マーキング行動です。
前段でお話しました飼い主様の臭いに変化が生じたために再度自身の臭いを付着させて「飼い主様を縄張りの一部」に再登録しているのです。

要求

CMATERRACE SIBERIOANSにいる猫ちゃんをよく観察してみると、「鼻スタンプ」やマーキング行動をする時は、「構ってほしい時」や「甘えたい時」などが大半を占めているように見受けられます。
この場合はシンプルに時間を設けて、出来る限り猫ちゃんの要望に答えてあげて下さい。
そうすることで、猫ちゃんは飼い主様に最高のパフォーマンスを見せてくれると思います。

反対に、構ってほしい時に構ってあげないことが続くと、飼い主様と猫ちゃんとの関係性が悪化し、分離不安に陥る可能性がありますので、いつもではなく、猫ちゃんが「構ってほしい」などの要求をしてきた時だけでも構いませんので、時間を割いて構ってあげて下さい。

分離不安については以下の記事でご説明していますので、ご興味がる方はお読みになられて下さい。

構ってほしい以外の５つ理由

猫ちゃんとのスキンシップ時の注意点

猫ちゃんから「鼻スタンプ」をしてくることはとても癒やされることですが、衛生面においては注意が必要で、人獣共通感染症に罹患するリスクが高まります。
猫ちゃんは視覚ではなく嗅覚で情報収集をするため、至るところに口や鼻を擦りつけます。
代表例としてはトイレです。
自身の排せつ物を砂で隠し、その後確認のため鼻や口を近づけるため、常在菌が100％存在していますし、腸内にも内部寄生虫が存在しています。

猫ちゃんには抗体がある菌でも人間に害を及ぼすパスツレラ菌などが人間に感染してしまうと、軽い風邪のような症状から重篤な肺炎までさまざまな症状を引き起こしますので、過剰なスキンシップは注意が必要です。

また、過剰なスキンシップは分離不安を発症させるリスクが高まります。
分離不安については、以下の記事でご説明しておりますので、ご興味がある方はお読みになられて下さい。

最後に

いかがでしたでしょうか。
人間もそうですが猫ちゃんにも何か行動する時には、必ず理由が存在します。
その理由を知ることが相手を知ることに繋がります。人間同士でも同じですよね？
猫ちゃんだからと何も特別なことは何もないのです。
ただ、猫ちゃんと人間とでは生態系やが違いますので、行動の特徴だったり食べ物だったりと知らなくてはならないことが山ほどありますが、一つ一つ解決していきましょう。