しーまさんちの猫ブログ運営者の CMATERRACE SIBERIANS™(サイベリアンブリーダー・キャットグルーマー・動物看護師)です。
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家族の一員である愛する猫ちゃんには、健康で幸せな生活を送ってもらいたいと飼い主様であれば誰しもが願い、それぞれご家庭の方向性やルールの中で、健康に取り組み一日一日楽しく過ごされていると思います。
今回のテーマは、結構早い段階でお問い合わせ上位にランクインするほど多くのご質問が寄せられるお問い合わせ内容で、ペットフードで良く話題になる「グルテンフリーとグレインフリーのキャットフードについて」です。
最近はプレミアムフードやグレインフリーのキャットフード・グルテンフリーのキャットフードが店舗でもピックアップされて陳列されていたり、通販サイトでもよくピックアップされ見かけるようになりましたが、グレインフリーやグルテンフリーという用語は理解していても、そのメカニズムまでは理解しておられない飼い主様もいらっしゃるのではないかと思い執筆しました。
グレインやグルテンは用語だけを理解しただけでは、不確かな情報と知識で愛する猫ちゃんの飼育をしてしまうリスクがあります。
そこで今回の記事では、グルテンフリー・グレインフリーについての概要とグルテンフリー・グレインフリーのキャットフードを導入するメリット・デメリットなどを詳しく解説していきたいと思います。
ご家庭で該当する猫ちゃんがいらっしゃいましたら、獣医師の指導の下キャットフードの導入を検討して下さい。
グルテンフリーキャットフードとは?
グルテンフリーのキャットフードとは、麦などに含まれる「グルテン」という蛋白質を原材料に使っていないキャットフードのことを言います。
小麦・大麦などの麦類にはグルテンが含まれています。
グルテンにアレルギー(セリアック病)を持つ人間がいますが、グルテンにアレルギーを持つ猫ちゃんも存在します。
グルテンフリーのキャットフードは、グルテン(蛋白質)アレルギーの猫ちゃんのために麦や大麦などを原材料に使用せずに作られたキャットフードです。
グレインフリーキャットフードとは?
グレインフリーのキャットフードとは、穀物(小麦、トウモロコシ、オーツ麦、大麦、米など)のグルテンだけでなく、原材料に穀物全般を使っていないキャットフードを言います。
穀物アレルギーの猫ちゃんには、グレインフリーフードを選ぶのも選択肢のひとつです。
グレインフリーのキャットフードには、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカ、レンズ豆、エンドウ豆といった原材料が使用されています。
また、グレインフリーキのャットフードには、穀物を含むキャットフードと同量かそれ以上の炭水化物を含んでいるキャットフードもあります。
炭水化物は肥満を引き起こす要因となる栄養素として最も広く知られていますが、それは過剰に摂取した場合であって、炭水化物には3大栄養素の一つとしての大切な役割があります。
炭水化物の役割とは?
人間同様に、体の機能や体つくりなどの全ての基礎となるものが3大栄養素である炭水化物(糖質+食物繊維)の役割の一つです。
体の機能(筋肉などを動かす)や体つくり(主に筋肉など)には蛋白質が必要です。
蛋白質を構成させるには炭水化物と脂質のバランスが大切です。
猫ちゃんは蛋白質を人間や他の動物よりも必要とする動物ですが、蛋白質を効率よく吸収を促すには炭水化物が必要ということです。
炭水化物によって十分なエネルギーが体に供給されていれば、筋肉などの体内の蛋白質を分解しない(余計に使わない)ため、体の機能が十分に発揮することが出来ますので、猫ちゃんにも炭水化物は必要です。
猫ちゃんは炭水化物を吸収できないは間違い
猫ちゃんは、穀物に含まれる炭水化物(例えばお米など)を生のままでは消化吸収することが出来ませんが、キャットフードに含まれる穀物は、加熱することで消化されやすい構造に変化(=アルファ化)し消化吸収されますので、消化吸収を考えてグレインフリーキャットフードを与える必要はありません。
これは猫ちゃんだからではなく人間やその他動物も哺乳類であればほぼ一緒です。
※哺乳類でも違いはありますので、全一致ではありません。
結論、アレルギーの猫ちゃんには有効
結論、グルテンアレルギーや穀物アレルギーの猫ちゃんにはグルテンフリーやグレインフリーのキャットフードを与えるべきですが、健常な猫ちゃんにグルテンフリーやグレインフリーのキャットフードを与えるのは、かえって猫ちゃんを不健康な状態にしてしまいます。
猫ちゃんは人間同様に哺乳類であるため、基本的な体の構造や機能はほぼ同じです。
違うのは栄養成分の摂取割合とその吸収割合です。
例えば、糖尿病患者の場合を例にしてみましょう。
糖尿病は糖質制限を行いますが、糖質制限食材(メニュー)=高蛋白質食材(メニュー)になるため、糖質制限を過度にしすぎると腎臓や目に負担を与えてしまいます。
糖質を制限すると自動的にカロリーが抑えられてしまい、エネルギー効率が低下します。
(詳細は省きます。)この結果、所謂皆様ご存じの糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症という症状を引き起こします。
炭水化物が少なく高蛋白質になりがちなグレインフリーフードは、健常な猫ちゃんにとって過度に腎臓への負担を強いてしまいますし、ましてや蛋白質の制限をしなくてはならない腎機能が低下している腎臓病などの猫ちゃんには絶対禁忌のキャットフードです。
必要栄養素という意味においては、糖尿病と腎臓病の反比例するかたちとなりかなり専門性が高くなりますので、心当たりのある飼い主様は、自己判断せずにこの道に強い獣医師に判断を委ねましょう。
腎臓病については、以下の記事で詳しく触れておりますので、ご興味がある飼い主様は是非お読みになられて下さい。
おすすめ ドライフード6選
当ブログがおすすめするドライフードは、以下の記事で紹介しております。
仔猫ちゃんの場合
- アニモンダ フォムファインステンデラックス キツン ★★★
- オリジン キャット&キティ ★★
- ニュートロ ワイルドレシピ キツン ★★
成猫ちゃんの場合
- 成長期の1歳半から3歳まで ソリッドゴールドインディゴムーン ★★★
- 5歳以降(低蛋白質30%)アーテミス フレッシュミックスフィーライン ★★、アカナ ★
今回の記事にあわせてお読み頂くことで、猫ちゃんに何を与えるのが適切なのかがご理解頂けるかと思います。
ご興味がある飼い主様は是非お読みになられて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
グルテンフリーとグレインフリーの概要やその違いはご理解頂けましたでしょうか?
愛する猫ちゃんのために健康意識を高めることはとても良いことです。
しかし、正しい知識がないまま闇雲に「健康に良さそうだから」などの理由でグレインフリーのキャットフードを選ぶのは早計です。
グレインフリーフードは穀物アレルギーの猫ちゃんに、グルテンフリーフードはグルテンアレルギーの猫ちゃんには有効な食事です。
しかし、それ以外の猫ちゃんには健康を害するというデメリットしかありませんし、例え穀物アレルギーやグルテンアレルギーだったとしても本当に穀物アレルギーやグルテンアレルギーなのかを検査しないまま、グルテングリーやグレインフリーのキャットフードを選ぶのも危険な選択です。
疑いがある場合は、きちんと獣医師の確定診断を受け獣医師と連携しながら愛する猫ちゃんの健康を守っていきましょう。
今回のテーマは以上になります。
今回お話しさせて頂きました内容が、飼い主様にとって良い結果に繋がることを願っております。
万が一記事のご説明でご不明な点などがございましたら、お問い合わせフォームよりご質問下さい。
これからも飼育に関する内容や病気予防に関する内容をお伝えさせて頂きますので、日々の飼育の参考になればとてもうれしく思います。
それでは、次の記事でまた皆さまにお会い出来ることを楽しみにしております。