しーまさんちの猫ブログ運営者の CMATERRACE SIBERIANS™(サイベリアンブリーダー・キャットグルーマー・動物看護師)です。
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先日、健康診断とワクチン接種のため動物病院に行ってきました。
診察待ちの間に、ふと高級そうな真新しいオゾン発生器が置いてあることに気づきました。
診察中に獣医師の先生と今年6月1日より動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)の一部改正の施行に伴い、マイクロチップ義務化(動物取扱業者は義務、一般の飼育者は努力義務)の話しで盛り上がりました。
話の中で、獣医師の先生から“制度として十分とは言えず“時期尚早ではないか”、“法整備の不十分さが目立つ”と指摘されていました。
さて、本日は数年前より注目を集め、現在のコロナ禍においては人気急上昇中の低濃度オゾン発生器についてです。
オゾン発生器と空気清浄機の違い
オゾン発生器のお話の前に、まずはオゾン発生器と空気清浄機の違いを理解しておく必要がありそうです。
オゾン発生器とは?
オゾン発生器とは、電気反応により強力な脱臭力・除菌力を持つ物質であるオゾンを発生させ、オゾンが空気中を漂う中で、他の物質(ウイルスなどや臭い物質)と結びついてより安定した物質(酸素)に変ろうとする性質を利用して、脱臭や除菌を行う装置(器械)のことだそうです。
空気中に浮遊しているウイルスや菌、臭い成分だけではなく、触れることが多い机や椅子、ドアノブに付着しているウイルスや菌、細菌についても、徹底的に分解する効果が期待できるのだそうです。
空気清浄機とは?
空気清浄機とは、文字通り空気を清浄する機械です。
集塵機能を持つフィルターに空気中の塵、ほこり、花粉、ハウスダスト、ダニなど吸着させて除去し、きれいな空気を作り出すことを目的とした機械です。
最近は、空気の清浄だけではなく、加湿や除菌、消臭機能などを搭載した多機能型空気清浄機が目立ちます。
果たして新型コロナウイルス感染症に有効か
実験結果
2020年8月26日NHK NEWS WEBの記事で、藤田医科大学(愛知県豊明市)附属病院の村田貴之教授が、人体に安全な低濃度オゾンガスで新型コロナウイルスを不活性化できる事実を世界で初めて発見したと発表されています。
別のサイトでは、同内容の実験を奈良医科大学でも行い、実証済みとの記事も出ていました。
村田貴之教授の実験結果によると、低濃度0.05ppm(人体に影響がないレベル、高濃度は人体に影響あり)湿度80%の環境下で20時間後には、ウイルスの量が5.7%軽減されたとのことでした。しかし、現実域である湿度55%ではそれほど軽減されなかったとのことです。
NHK NEWS WEBより引用
低濃度オゾンの安全性は?疑問点
この記事で私が注目したいところは2点あります。
疑問点① 湿度との関連性
一つ目は、湿度との関連性で、0.1ppmで且つ湿度が一定の域(80%)に達しないと効果が立証されず、湿度50%だと効果が半減していたという点です。
現実的な一般家庭で冬期間では湿度50%台をキープするには、居住している平米数にもよると思いますが、例えば14畳~20畳のLDKとした場合、一般家庭用の加湿器で50%程度の湿度をキープするには、加湿器を2台ないし3台設置した上で、加湿器の出力をフル稼働させておかないとLDK全体の湿度をキープすることは困難です。
フル稼働させた場合、加湿器付近の湿度は60%~70%と表示されると思われます。
疑問点② 健康面への影響
二つ目は、低濃度オゾンであっても、直接吸い込んでしまうと人体の健康面での影響を及ぼす恐れがあるという危険性です。
当然猫ちゃんにも健康面での影響を及ぼす危険性は十分に考えられます。
また、低濃度オゾンと高濃度オゾンの切り替えがあるオゾン発生器が販売されているようですが、その場合は高濃度オゾンに切り替えた時にその場にいるだけでも健康面の影響を及ぼす恐れがあるというのは、製品説明の注意点に書かれていました。
この注意書きを読む限り、猫ちゃんがいるご家庭は、低濃度にせよ高濃度にせよオゾン発生器にその空間にいないように又は近づけないようにする対応策を施さなくてはいけません。
低濃度オゾン発生器への期待
新型コロナウイルスを取り除ける可能性
藤田医科大学の村田貴之教授が実験した結果が、猫ちゃんがいるご家庭には、どこまで現実的な領域に達しているかの疑問は残りますが、そもそも新型コロナウイルスをはじめとするウイルスや菌などを死滅させウイルスや菌を0にすることはできません。
そういう意味では、“低濃度オゾン発生器で空気中のウイルスや菌が少しでも分解されている“という安心感は得られそうですし、少なくとも新型コロナウイルスを取り除ける可能性として明るい兆しが差したことは確かでしょう。
より良い脱臭効果への期待
低濃度オゾン発生器は、空気中の様々な物質を取り除く効果が期待されて、特に動物の“臭気を取り除く効果が期待され“注目を集めました。
新型コロナウイルスのウイルスを取り除くという効能を補完として捉え、脱臭機能に期待して導入するのは、脱臭機能を搭載した多機能型空気清浄機(プラズマクラスターやジアイーノなど)よりも効果が期待できます。
本来、空気清浄機と脱臭機は別々の効能があり、それぞれ長所と短所があります。
”餅屋は餅屋に“という言葉の通り、個々に設置するほうがより高い水準での効能が期待できそうです。加湿器も同様です。
脱臭の基本
脱臭効果の基本は、グルーミングと室内清掃です。
室内の床は当然として、特に布製品を中心に清掃をこまめに行うことです。
忘れがちな建具や壁紙も時々拭き清掃を行うことで、より脱臭の効果が得られます。
同時に猫アレルギー体質の方や猫アレルギーを発症されている方の対策にもなります。
ケア+清掃で、相当数の多頭飼育をしていない限りは動物の臭気は防げるはずです。
機器はその次点であることは基本中の基本です。
まとめ
最後に、私たちが日常生活を送る上で、ITの進歩や様々な機器の充実はQOLの向上に少なからず役立っています。
猫ちゃんの日常生活も同様に、ITの進歩や様々な機器の充実が、QOLの向上に繋がっていることは否定できません。
低濃度オゾン発生器や空気清浄機・脱臭機などの機器は、きっと皆さまの日常生活のサポート役として十分な役割を果たしてくれることでしょう。
これからも飼育に関する内容や病気予防に関する内容をお伝えさせて頂きますので、日々の飼育の参考になればとてもうれしく思います。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。